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YASUKUNI BRIDES~友と共に花嫁になりたくてHoping to be brides with my friend at YASUKUNI

結婚式を挙げるなら、靖国がいい

"I wish to hold wedding ceremony at YASUKUNI SHRINE" said to my husband.

2012年、突然入籍するような縁に恵まれて、私は結婚しました。でも、最初は結婚式や披露宴をするようなことでもないと思っていたのです。ご存じの方も多いと思うのですが、今の主人に出会ったころ、主人は別の家族を持っていました。主人は善意で、当時膠原病に苦しんでいた私を助けてくれたのですが、不倫のように誤解されて報道されてしまい、それがきっかけで主人は離婚してしまったのです。そのあと私と結ばれたのであれば、「やっぱり」といわれてしまっても仕方ありません。その時不倫などなかったといくら言っても、家族が壊れてしまい、かつての奥様とお嬢様を傷つけてしまったのは事実です。なので、主人と親しくなり、結婚を決意させていただいた顛末については、余計なことを申し上げるつもりはありません。式を挙げるつもりがなかったのは、そんな出会いゆえです。

でも去年、18歳の時に亡くなった親友Yちゃんの命日が2013年の6月10日で30周忌となることに、私は気づきました。

「ああ、彼女がいなくなってもう30年なんだ」。

そう思った時、私はその記念に何かできないか、たとえば私の結婚式に、亡くなった親友Yちゃんの遺影をお母さんに持って来ていただくのはどうかしら、と思いました。そうして一緒に神様の前で結婚の誓いをしたら、まるで彼女もお嫁に行ったみたいで、Yちゃんのお母さんの気持ちが少しでも安まるのではないかしら。そう考えてしまったのです。

そんな思いを託して結婚を誓うなら、靖国神社(以下、「靖国」)がいい。私は主人に伝えました。主人は「とてもいい思いつきだね」と、賛成してくれました。そこで、かねてより靖国へのご縁を繋いでいただいていた、国文学者で遺族会にも深い関わりのある小堀桂一郎先生に、靖国の宮司様をご紹介いただいたのです。小堀桂一郎先生とは、御嬢さんの小堀馨子さんに「マンガ・ローマ帝国」の監修をしていただいたことがきっかけで、お目にかかりました。靖国には小堀先生のご紹介のほかに、「週刊SPA!」で時事批評漫画を連載したり、「正論」でエッセイを書かせていただいたことなどをきっかけに、国会議員の西村眞吾先生の紹介で訪れることになりました。

はじめて遊就館を訪れた時、わたしは元帥刀の前で雷に打たれたような感覚を覚えました。そして、英霊の部屋では涙が止まりませんでした。「靖国は何か怖いもののように言われているけど違う。私たちが今暮らしている国を守るために命を抱えて戦い、亡くなられた方たちのことを大切にお祀りしないといけない」と、強く思ったのです。

私が最初、漫画だけでなく文章も書き始めたのは、「当たり前のように、変なことがまかり通っているんじゃないかしら」という思いからでした。最初の夫が元自衛隊員だったこともあり、自衛隊がちゃんとした軍隊として認められていないことは変だと思いましたし、行き過ぎた男女平等や性の解放は、女性にとって幸せはないと思いました。そんなことを書き始めた時に知り合った、大阪 堺市の市議(当時、現国会議員)の三宅博先生から「拉致問題というのがある。皆さん困っているから、何か書いてくれないか」と言われ、拉致のことを書いたのも、「こんな大変なことがまかり通っているのに、解決の呼びかけをしたり、記事にしたりするのがタブーだなんて、変だ」という思いからでした。横田滋・早紀江さんとの交流はそれがきっかけです。靖国が本当の姿を隠され、何か怖いもののように報じられていることも、私には悲しいことでした。だから靖国について感じた自分なりの素直な畏敬の思い、その静謐な空間の神聖さや、命がけで戦った英霊たちへの敬意を綴りたいと思ったのです。だからこそ、自分が結婚をするのなら、この国のために命を捧げてくださった方たちの間で誓いたかった。18歳で亡くなった親友のYちゃんのことも、英霊たちの短い人生に重なりました。

友人、Yちゃんの2013年の命日6月10日は月曜日。私は6月9日の日曜なら、皆さんのお仕事の邪魔にならず、参列もお願いしやすいのではないかと思いました。靖国にお願いしたところ、午後三時半からなら可能と言っていただきました。この日は大安なうえ、皇太子ご夫妻のご成婚記念日だといいます。なんと素晴らしい日。私は雅子妃殿下の御快癒をお祈りしながら、その日を迎えさせていただきたいと願わずにいられませんでした。そして、その日に向けてのさまざまな準備を始めさせていただくことになったのです。

©All Photos by Naoto Ohkawa.

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